ビールを飲みながら「もしや私は、早まったのか?」と思いました。
何のことかというと、早期退職に応じたことです。

それは、早期退職制度の申込締切日のこと。総務部から「希望早期退職の決定通知」がメールで届きました。
え、今日が締切ちゃうの!? なんで決定通知が来ちゃっうの? 確かに退職の申請書を出したけれど! 心の声が大混乱。

そして、この日の部内会議(もちろんオンライン)で、部の退職メンバーが発表になりました。
えぇ、もう発表するの!? 決定通知が来たの今日ですよ!
ココロの声をいちいち書き留めたくなるくらい、配慮がなさすぎる(思わず本音)。

通常なら、誰が退職するかは多少なりともウワサが耳に入ってくるものです。
ただ、今は毎日が絶賛テレワーク。社内のウワサはまったく入ってきません。まぁ、もともと、私は社内政治は疎いんですけどね。

そうこうしているうちに、会議の時間になりました。そこで退職者の名前を聞いて、あら意外という印象を受けました。
「え、あなたも、あなたも辞めるんですか」
そして「辞めると思った人は、とどまるのか」と(暴言)。

その後、1日だけオフィスに出勤しました。他部署で仲良くしてもらっている先輩女性も出勤していたので、仕事の後、ちょっとビール片手に密談タイムに。

そこで先輩の言葉。「辞めるのは若い人ばかり。驚いたわ」
この50代の先輩も退職組です。
総務との面談では「退職の数に入れておいてください」と、最初に言ったとか。業績悪化は長くいる社員にも責任がある、そして、それを立て直せるのは若い人である、と。「こんなん、上の世代から辞めていくもんやで。それなのに年配者が残って、辞めるのは若い人ばかりやん」

私がモヤモヤしていたのは、そこだ~! もちろん上の世代にも、残ってもらわないと困る人もいます。でもねぇ……モヤモヤ。

さらに、「面談でキツイことを言われた人もいたみたいだけれど、カラノさん、大丈夫だった?」と先輩に心配される始末。それは同僚とのオンライン飲み会でも聞いたけど……。
「面談のキツイ言われ方にもめげず、ごねた人が残ったみたい」
え、そうなの!? ごね得?? 
面談をのらりくらり、やり過ごしていたら、私も辞めずにすんだの!? 

そして思ったのが、冒頭の「もしや私は、早まったのか?」でした。

たしかに私は1回目の面談で、キツイことは言われませんでした。ただ、その後も言われずに済んだのは、早い段階で「退職」の空気を醸し出していたからかもしれません。

あ、そうだった。ここでフト思い出しました。私は、会社に愛想をつかしたんだった。希望退職の話を聞いたときに。
「“辞めずにすんだのか?”は、コロナ不況でいつ転職できるか、という不安が見せた幻影だ」
久しぶりに出勤した帰り、自分に言い聞かせながら、夜道を歩きました。人は人、自分は自分。

あとは、「辞めてくれてよかった」と言われないよう、惜しまれて退職できるよう、嫌味なくらい働こうと思います。